元祖kpop!チョー・ヨンピルを君は知ってるか?
チョー・ヨンピルって言われて分かる人は、相当な韓国通もしくは中高年世代の方ではないかと思います。
一時期日本でも活躍していたんですけどね。
紅白歌合戦にも何度か出ていましたし。
チョー・ヨンピルは元祖kpopスターとも言うべき存在で、1970年代からかれこれ50年近く活動する超大御所のシンガーソングライターです。
若い人の間でもよく知られています。
チョー・ヨンピルは1950年3月21日に韓国の京畿道は華城(ファソン)市に生まれます。
父親が非常に厳格な人物だったようで、息子に何としても弁護士か医師の道に進む事を望んでいたようです。
そのため、若きヨンピル少年が音楽に目覚めギターを手にするや、そのギターを目の前で叩き壊してしまった事もあるそうです。
結局チョー・ヨンピルは家出をしてしまいます。
そして1969年、在韓米軍基地内にある通称"米8軍舞台"にて活動を開始します。
以前見た彼のドキュメンタリー番組で、その当時を振り返り「食事の時間と寝ている時間以外は1日中ギターの練習をしていた。当時が一番幸せだった」と語っていたのが印象的でした。
そして1976年に、後に彼の代表曲であり日本でもよく知られる「釜山港に帰れ」が大ヒット。
一躍スターダムにのし上がります。
ところが、このすぐ後に彼に大きな試練が降りかかってきます。
これは、韓国現代史の中でも取り上げられる事がある事件なんですが、"大麻事件"と言われる芸能界の一大スキャンダルに彼が関わっていたという事で彼は芸能界から一時期追放される事になってしまいます。
ただ、彼が只者ではないのが、干されている間に山に篭ってパンソリという韓国の伝統芸能の修行に打ち込んでいたんですね。
パンソリ「スクテモリ(乱れ髪)」より
パンソリというのは、一人オペラとも言われる韓国伝統の歌唱芸能で、非常に高度な歌唱技術と感性が求められ、人の声の限界に挑戦する芸能とも言われています。
修行してパンソリの歌い手になる為には人生をかけなければならないと言われているほどです。
それほどまでに厳しい世界に身を投じたのですから、只者じゃありませんね。
実際、血を吐くほど修行したとか、腹の上に岩を乗せて歌ったとか、嘘か本当かよくわからない伝説が彼にはつきまとっています(本人は否定しているようですが)。
そうして紆余曲折の後、1980年に「窓の外の女」で正式にデビュー。
同年、後に日本でも話題になった韓国映画「タクシー運転手」の主題歌にも選ばれることになる「ダンバルモリ(おかっぱ頭)」が大ヒット。
1980年代、彼は韓国の主要な歌番組の常連となり、
数々の賞を総なめにするなど名実共にトップスターになります。
1990年代以降は大きなヒット曲こそないものの堅実な活躍を見せ、
2000年代には北朝鮮の平壌で公演を行い話題になったりなどもしました。
2013年には久々のヒット曲「bounce(バウンス)」が大ヒット。
2018年にも南北交流事業として北朝鮮の平壌で公演を行うなど、旺盛な活躍ぶりを発揮しています。
長くなってきたので、次回は彼の代表曲のうち何曲かを歌詞と共にご紹介することにします。