オランダ人はニシンを食べる
オランダ料理って言われて何か思い浮かぶ方は、結構異文化に精通している方だと言えるのではないでしょうか。
それほど、日本ではオランダ料理はマイナーな存在です。
鎖国していた江戸時代にあってオランダは国交を維持していた数少ない国であり、日本とは非常に関わりが深い国でもあります。
また、第二次世界大戦中のオランダ人捕虜への待遇やオランダ人女性の性奴隷など、負の歴史を抱えている国でもあります。
このようにヨーロッパ諸国の中でも日本と最も関係が深いオランダ王国の料理ですが、私たち日本人はほとんどその実情を知りません。
ゴーダチーズや牛乳など乳製品が有名、ぐらいではないかと思います。
なので、オランダで最もポピュラーな料理が実はハーリングと呼ばれるニシンの塩漬けであるなどと言われたら驚かれるに違いありません。
そうなんです、オランダではニシン漁が解禁される日は国中がお祭り騒ぎになるほどハーリングが国民的な人気を誇っているそうなんです。
日本人にとってのラーメン、韓国人にとってのキムチ、イタリア人にとってのパスタのように、オランダ人にとってはハーリングがソウルフードなのだそう。
そして、当然といえば当然かもしれませんが在蘭日本人にもハーリングは非常に人気があるそうです。
わさび醤油でご飯の上に乗せて「パーリング丼」にして食べる方もいるとか何とか。
普通に美味しそう。日本酒にも合いそうですよね。
しかも、ハーリングは日本の影響ではなく、中世から続くれっきとした伝統食なんです。
海洋国家の中世オランダは、ニシン漁で富を蓄えてきたので、それだけにニシンに対する格別な思いがあるのも不思議ではないと思います。
ちなみにニシンはヨーロッパではポピュラーな魚で、酢漬けや燻製、缶詰にして食べられています。
世界一臭い事で有名なシュールストレミングも、
発酵ニシンの缶詰です。
僕の友人は、練馬公園で仲間数人とシュールストレミングを開けていたところ、何故か近くを通っていた飼い犬が何匹も押し寄せてきて驚いたという謎エピソードを披露してくれました。何か、どうもシュールストレミングのあの臭気は犬が好むらしいです。ってまぁこれは別に関係ないですね。
ハーリングは成城石井でも売ってるらしいので、ぜひ試してみたいと思います。
試してみたらまた体験記でも書こうと思います。